小野不由美『残穢』感想

読書
新潮社
発売日 : 2012-07-20

夏なので、「家においておくのも嫌なほど怖い」という評価もあるこの本、『残穢』を読んでみました。

どんな話?

ホラー小説などを書いている小説家の「私」は、あとがきで怖い話を募集していました。すると、久保さんという読者から、自分の住んでいる部屋で畳をこするような音がするという手紙をもらいます。その話になにか引っかかるものを感じていると、転居の際の片付けで同じような話の手紙をもらっていたことがわかりました。しかも、二人とも同じ「岡谷マンション」というマンションに住んでいました。二人は同じ怪異に遭遇しているのではないか。主人公は久保さんと連絡を取り、岡谷マンションの怪異について、その原因を調べていくことに。そうすると、近くの岡谷団地でも、不穏な噂があることを知ります。怪異の原因は一体何なのか。調べを進めるうちに、二人にも不可解な現象が…。

ネタバレなし感想

怖いという評価が高い作品でしたが、私は全然怖いと思いませんでした。これは、合う合わないがあるんだろうなぁっていうのが正直な感想です。全体的な構成は岡谷マンションの周辺住人とか、お寺とかに取材した内容が書かれているみたいなそんな感じ。登場人物が多いので、誰が誰だったかよく分からなくなることもあります。畳をこするような音みたいな怪異は出てきますけど、直接的に怖いものがドーンと出てくるみたいな、そういう感じではないです。怖いものがこう直接ぐいぐい来る感じの怖さを想像していたから、思ったほど怖くなかったっていうことなのかもしれません。ホラーって言うより、ある土地の歴史調査みたいなそんな感じの本だなって印象を受けました。

ネタバレあり感想

土地に残った「穢れ」が伝染していって、あちこちで怪異を起こしているというような話なんですが、まぁそりゃ何年も月日が経てばそういうこともあるだろうなとは思います。でも、複数の穢れが共存しているのはなぜなのかとか、人によって同じ地域にいても怪異を感じたりそうでなかったりするのはなぜなのかとか、よくわからない部分もあります。人によって怪異を感じたりそうでないのなら、気の所為なんじゃね?って感じで。怪異の原因についても、「過去こういうことがあったから多分これが原因だろう」っていう感じの推測なので、じゃあもしかしたら違うかも知れないんじゃないかというひねくれた目で見てしまうのもあって、怖くなかったのかなと。

主人公や久保さんの体調不良についても因果関係がわからないので、この穢れのせいじゃないのでは…と。終始そんな感じでした。最後の方になって急に「調査はもういいか」みたいなこと言い出して、じゃあ今まで調べたのは何だったんやみたいな気持ちにもなりました。

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